公明、政策チーム活発化=政治とカネで自民にいら立ち
公明党が政策課題を検討するプロジェクトチーム(PT)を次々と立ち上げている。次期衆院選をにらみ、政策をリードする姿勢をアピールするのが狙いだ。改正政治資金規正法で積み残しとなった課題も議論を重ねているが、自民党の動きは鈍く、与党間の溝も浮き彫りとなっている。
公明が発足させたのは、公職選挙法改正や旧優生保護法の被害補償を検討するPTなど。既存のPTも性別変更を巡る最高裁の違憲判断を受け、自民に先駆けて性同一性障害特例法改正に向けた党見解をまとめた。
公明が強く意識するのは、今秋以降に取り沙汰される衆院解散・総選挙だ。報道各社の世論調査では、自民派閥裏金事件を受けて、政権交代を求める意見が増えており、危機感を募らす。公明党関係者は「考えをまとめておけば、公約に反映できる。選挙がなくても、与野党の議論を主導できる。両にらみだ」と解説する。
改正政治資金規正法で検討課題となった第三者機関は公明が強く設置を求めたが、具体案はこれからだ。PTメンバーは「この問題をリードしてきたからこそ、責任をもって議論する」と意気込む。
一方、自民は通常国会閉幕後、政治とカネに関する党内議論は下火となっている。公明の山口那津男代表は19日、記者団に「責任者とチームを整えてほしい。待ったなしだ」と強調。党関係者は「自民は総裁選で頭がいっぱいで『政治とカネ』の問題を忘れてしまったのか」と憤りをあらわにした。
[時事通信社]
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