「殺害の可能性」強まる=ハマス軍事部門トップ―イスラエル軍
【カイロ時事】イスラエル軍報道官は19日、パレスチナのイスラム組織ハマスの軍事部門トップ、ムハンマド・デイフ氏を標的とした13日のパレスチナ自治区ガザ南部への空爆を巡り、「殺害が成功したという可能性が強まっている」と語った。地元メディアが伝えた。
報道官は爆撃時、軍が先に死亡を発表したハマス部隊司令官の「隣にデイフがいた」と説明。ハマスが事実を「隠している」と指摘した。
デイフ氏は、昨年10月のイスラエル奇襲の首謀者の一人で、ハマスの爆弾製造能力を向上させ、地下トンネルを整備した人物とされる。支柱であるデイフ氏が死亡すれば、ハマスの態勢立て直しや戦闘員の士気に影響するとの見方も出ている。
イスラエルのネタニヤフ首相は18日、ハマスとの戦闘開始後初めてガザ最南部ラファを訪れ、ハマスの武器密輸を防ぐ目的として、ガザ・エジプト境界の緩衝地帯や検問所の管理継続方針を改めて表明した。停戦交渉が停滞する可能性がある中でも強硬姿勢を貫く背景には、軍事的にハマスを追い詰めているとの認識があるとみられる。
一方、AFP通信は、ガラント国防相が今週発表した、ガザの病気の子供たちのための「仮設病院」をガザ境界近くのイスラエル国内に建設する計画に関し、ネタニヤフ氏が18日、撤回を命じたと報じた。当局者の一人は、「首相は政治的理由で(ガラント氏の)決定を撤回した。人道的な解決策を阻止した」と指摘。AFPは「連立与党内の新たな亀裂を示している」と伝えた。
[時事通信社]
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