2024-07-17 14:48

再び刑事責任能力が争点か＝京アニ事件控訴審、期日はめど立たず―青葉被告、一審は死刑・大阪高裁

　京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などで起訴された青葉真司被告（４６）は１月に一審京都地裁の裁判員裁判で死刑判決を受け、判決を不服として大阪高裁に控訴した。控訴審第１回公判の期日は決まっていない。一審同様、青葉被告の刑事責任能力の有無と程度が最大の争点になるとみられる。
　弁護側の控訴趣意書提出後に検察側が反論を検討するため、第１回公判の期日が決まるまでにはまだ時間がかかる見込みだ。
　京都地裁の裁判員裁判は昨年９月に始まり、今年１月の判決までに計２３回の公判が開かれる異例の長期審理となった。
　一審で弁護側は、青葉被告が事件当時、重度の妄想性障害で心神喪失か耗弱の状態だったと主張。これに対し判決は、青葉被告が京アニに強い恨みを抱いた動機について「妄想性障害が影響している」としつつ、完全責任能力を認定。３６人が死亡するなどした結果の重大性も考慮して死刑を言い渡した。
　青葉被告は判決後、事件で亡くなった寺脇（池田）晶子さんの夫（５１）と大阪拘置所で２度面会した。謝罪の一方、控訴した理由として「取り下げたらもう話せない。いろんなことを発信していきたい」と説明。動機については「京アニに裏切られた」と公判と同じ内容を繰り返し、「全てが妄想で片付けられてしまった」と不満を口にしていたという。　
　
　◇京都アニメーション放火殺人事件の経緯
２０１９年　７月１８日　青葉真司被告が京都アニメーション第１スタジオに放火
　　２０年　５月２７日　退院した青葉被告を逮捕
　　　　　　６月　９日　鑑定留置開始（１２月１１日まで）
　　　　　１２月１６日　京都地検が起訴
　　２１年　９月　３日　２回目の精神鑑定開始（２２年２月２８日まで）
　　２３年　９月　５日　初公判で起訴内容認める
　　　　　１２月　７日　検察側が死刑求刑し、結審
　　２４年　１月２５日　青葉被告に死刑判決
　　　　　　　　２６日　青葉被告の弁護人が控訴
　　　　　　２月　９日　青葉被告本人も控訴
　　　　　　７月１４日　事件を伝える祈念碑が京都府宇治市の公園で公開
　　　　　　　　１８日　事件から５年
※取材や発表を基に作成
［時事通信社］

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