VリーグHPが改ざん被害=海外カジノへリンク、既に削除―上位表示狙い? 情報流出確認されず
バレーボール「Vリーグ」の公式ホームページ(HP)が改ざんされ、海外のオンラインカジノサイトにつながるリンクが無断で張られるなどしていたことが12日、分かった。何者かに不正アクセスされたとみられる。Vリーグ側は時事通信の指摘で改ざんを把握。担当者は「セキュリティーを強化する対策を取る」と話した。
専門家は「個人情報を盗み取るフィッシング詐欺に悪用されたり、マルウェア(悪意のあるソフト)が仕込まれたりする危険性があった」と警告する。
リンクはすでに削除されたが、Vリーグ公式HPのトップページなどに複数、張られていた。画面の目立たない部分に背景と同色で書き込まれており、マウスなどでリンク部分をドラッグしなければ、目視できないようになっていた。
リンク先はインドネシアで運営されているとみられるオンラインカジノのサイトだった。リンク自体にコンピューターウイルスが仕込まれた形跡などはなく、Vリーグ側は「個人情報の流出は確認されていない」としている。
サイトを分析したインターネットセキュリティー会社「トレンドマイクロ」の担当者は、不正リンクの狙いについて「グーグルやヤフーなどの検索サイトで上位に表示させようとしたのではないか」と分析する。
担当者によると、Vリーグのような公益性の高い団体のHPにリンクを張ると、検索エンジンがリンク先も信頼性あるサイトだと判断。違法なギャンブルサイトでも、検索結果が上位になることがある。こうした手口は「SEOポイズニング」と呼ばれているという。
トレンドマイクロによると、改ざんは3月下旬~4月上旬に行われた。リンクは少なくとも2カ月以上張られ、複数回、書き換えられていた。
[時事通信社]
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