CIA長官、ガザ停戦案を協議=ハマス硬化、不透明感も―カタール
【カイロ時事】米ネットメディア「アクシオス」によると、パレスチナ自治区ガザの停戦案を巡り、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が10日、仲介国カタールで同国のムハンマド首相やイスラエルとエジプトの情報機関トップと協議した。今後、イスラム組織ハマスとの間接交渉が進展する可能性があるが、イスラエルのガザ攻撃激化を受けてハマスは態度を硬化。交渉妥結への道筋は見通せない。
バーンズ氏は9日にカタールの首都ドーハに入った。これと同時期に、米国家安全保障会議(NSC)のマクガーク中東・北アフリカ担当調整官がイスラエルでネタニヤフ首相と会談。ネタニヤフ氏は「イスラエルのレッドライン(譲れない一線)が守られる限り」、停戦交渉に取り組むと明言したという。
イスラエルは交渉団を派遣する一方でガザへの攻撃を継続。9日には軍が南部の学校を攻撃し、29人が死亡した。北部でもハマス戦闘員との激戦が続き、AFP通信によれば、軍は10日、ガザ市の市街地が「危険な戦闘地域になっている」として、市内の全住民に退避勧告を出した。
イスラエルのメディアによると、ガラント国防相は10日、「(ハマス)戦闘員の6割を殺害または負傷させた」と指摘。ハマスの全24大隊の大部分を壊滅させたとも主張した。
これに対しハマス幹部のバドラン氏は10日、AFPの取材に、「イスラエルは爆撃を激化させ、虐殺を実行することで(停戦)交渉に圧力をかけようとしている」と批判した。ハマスは7日、「恒久停戦」の要求を取り下げる意向を示したが、バドラン氏は「われわれは柔軟性を見せたものの、どこまで交渉が進むか分からない」と協議について悲観的な見通しも示した。
一方、カービー米大統領補佐官(広報担当)は10日、停戦交渉に関し米CNNテレビに「物事は良い方向に向かっていると、慎重ながらも楽観している」と強調した。
[時事通信社]
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