日NATO、専用回線設置へ=安保協力深化狙う―岸田首相、10日に米独出発
岸田文雄首相は10日から5日間の日程で米国とドイツを訪問する。林芳正官房長官が9日発表した。ワシントンで北大西洋条約機構(NATO)首脳会議にインド太平洋のパートナー国として出席し、安全保障協力の強化を確認したい考え。日本とNATOで情報をやりとりする専用通信回線設置で合意する方向で調整している。ベルリンではショルツ首相と日独首脳会談に臨む。
首相のNATO首脳会議出席は3年連続。今回はNATO設立75周年の節目に当たり、パートナー国として招かれた韓国、オーストラリア、ニュージーランド(NZ)の代表とともに、会議3日目の11日の会合に出席する。首相は中国や北朝鮮の動向を説明し、「欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障は不可分だ」と訴える考えだ。
専用通信回線は日・NATO間で機密性の高い情報を共有できるようにするもので、安保協力を深化する狙いがある。
首相はNATO会議に合わせ、英国のスターマー首相との会談を予定。韓国、フィンランド、スウェーデンとの首脳会談を調整し、バイデン米大統領との意見交換も検討している。また、韓国、豪州、NZとの4カ国会談も行う方向で、これにウクライナのゼレンスキー大統領を加えた会合も想定している。
米国を後にした岸田首相は12日にドイツを訪れる。日本の首相が国際会議以外で同国を訪れるのは2017年以来だ。先の国会で自衛隊とドイツ軍の物品役務相互提供協定(ACSA)が承認されるなど日独間の協力は近年深まっており、両国首脳は重要鉱物や半導体のサプライチェーン(供給網)確保など経済安保分野の協力で一致する見通しだ。14日に帰国する。
[時事通信社]
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