小池氏が都知事3選=石丸、蓮舫氏ら破る―保育無償「制度設計を推進」
任期満了に伴う東京都知事選は7日に投開票が行われ、無所属で現職の小池百合子氏(71)が、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)、前参院議員の蓮舫氏(56)ら新人55人を破り3選を確実にした。小池氏は自民党の支援を受けつつ、裏金問題を考慮して政党色を薄めた戦略が功を奏した。3期目も引き続き子育て支援に力を入れる方針で、第1子の保育料無償化の制度設計について「今から進めたい」と表明した。
投票率は60.62%で、前回(55.00%)を上回った。
小池氏は記者団の取材に「東京大改革をバージョンアップする」と強調。少子化対策以外にも、防災や物価高への対応、行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む考えを示した。
公約として無痛分娩(ぶんべん)への補助も掲げたほか、0~18歳の都民に月額5000円を支給する「018サポート」など2期8年の実績をアピール。選挙期間中も公務を続けて現職としての安定感を示そうと努め、無党派層を含め幅広い支持を得た。
選挙戦では、自民、公明両党に加え、国民民主党などが小池氏を実質支援した。ただ、裏金問題で自民への批判がある中、小池氏は政党色を抑えた活動を展開した。
石丸氏は、既存政党に対する批判的な立場を強調。連日街頭で演説を続けるとともに、SNSでの情報発信を通じて知名度を向上させ、無党派層の取り込みにある程度成功した。
立憲民主、共産、社民各党の支援を受けた蓮舫氏は、小池都政では社会的弱者へのサポートが不十分だと主張した。また、裏金問題を抱える自民と連携する小池氏を批判し、与野党対決の構図を持ち込もうとしたが、有権者の理解を得られなかった。蓮舫氏の敗北は、次期衆院選に向けた野党共闘の在り方に課題を残した。
蓮舫氏は記者団の取材に対し、敗因について「私の力不足、そこに尽きる」と振り返った。
今回は、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)を含め、過去最多となる計56人が立候補した。
[時事通信社]
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