討論会の失態「気の毒に思う」 バイデン氏の生まれ故郷の町
【スクラントン(米国)AFP=時事】米国のジョー・バイデン大統領(81)がドナルド・トランプ前大統領との大統領選に向けた第1回テレビ討論会で失態を演じたことについて、生まれ故郷の東部ペンシルベニア州スクラントンでは失望と心配の声が多く聞かれた。≪写真はペンシルベニア州スクラントンにあるジョー・バイデン大統領の生家≫
「あの討論会に出るべきじゃなかった」と言うのは、バーの前でたばこを吸っていたデニス・フリソンさん(70)。「大統領としての職務は果たせると思う。単に以前のように鋭くはないだけだ」と話した。
その一方で、カマラ・ハリス副大統領が代わりを務めることにはあまり期待できないと言う。以前、黒人支援関連の法案に後ろ向きな発言したことがあるためとその理由を説明した。
だが、フリソンさんもこの町の大多数と同様、ハリス氏以外にバイデン氏の代役を担える民主党候補の名を挙げることはできなかった。
ショッピングモールの前で有権者登録手続きを呼び掛けていたシルベラ・コサレフさん(21)は、討論会でのバイデン氏の様子に「もちろん感心しなかった」と言う。
またバイデン氏については、大統領選を乗り切るまでの「その場しのぎの候補者」だと考えているとし、選挙後に辞任したいなら他の人が引き継げばいいと話した。「カマラが引き継いでも構わない。ただ絶対にトランプだけはだめ」
トランプ氏を支持する声も多く聞かれた。
ニューヨーク・クイーンズからスクラントンに移住したというシェリル・クラウターさん(33)は、討論会でのバイデン氏の対応が「全くよくなかった」と辛辣(しんらつ)な口調で指摘した。
注目度の非常に高い討論会にもかかわらず、回答が支離滅裂だったり、トランプ氏の誤った情報を受け流したりしたバイデン氏の姿を目の当たりにし、クラウターさんは現大統領の状態について疑問を抱かざるを得なかったと話した。
木造3階建てのバイデン氏の生家は町の中心部から車ですぐの場所にある。
きれいに刈りそろえられた前庭には「写真撮影は道路から」と書かれた小さな案内板が立っていたが、隣接する家にバイデン・ハリス陣営支持のポスターは見当たらなかった。
数軒離れた家に住むジェイミー・ヘイズさん(73)は、討論会を終えたバイデン氏について気の毒に感じたと話す。
「具合が良くないように見えたし、登壇すべきじゃなかった。(どちらも良くない)選択肢が二つあって悪い方を選んでしまった。もし欠席したら、有権者に撤退を感じさせただろうから」
その上で、「ただ、(バイデン氏は)志を同じくした、代役を務められる人材で周りを十分に固めているはず」「カマラ・ハリスのことはよく聞いているし、彼女を支持する」と述べた。【翻訳編集AFPBBNews】
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