客足半減も「ほっとした」=営業再開の理容室―熱海土石流
熱海土石流災害で大きな被害を受けた静岡県熱海市伊豆山地区。理容室タケザワの店主竹沢敏文さん(76)は立ち入り規制が解除された2023年9月、元の場所で営業を再開した。「客足は半分以下になったが、ほっとしている」と話す。
竹沢さんは土石流発生時、理容室にいた。最初は小刻みに揺れた程度だったが、気付けば目の前の道を土砂が流れていた。
理容室のサッシがゆがみ、隣接する自宅1階は膝元まで土砂で埋まった。それでも、「土砂をどかせばすぐ元に戻れると思っていた」という。だが、自宅周辺は警戒区域に指定され、立ち入りできなくなった。ならば商売道具を持ち出し、借家で仮営業をしよう―。そう思ったが、市保健所から「認可がなければ営業できない」と言われた。
どうにもならない日々が続く中でも、常連客からは「(髪の毛を)どうにかしてくれ」と相談がある。避難先でボランティアで髪を切り始めた。「無料は申し訳ない」との声を受け、募金箱を用意。受け取った「お気持ち」はためておき、半分を能登半島地震の被災地に寄付した。
町から離れた人は少なくない。営業再開から10カ月になるが、かつての客足は戻らないままだ。それでも「この土地からは離れられない」と竹沢さん。「先代の時から来てくれているお客さんも多い。そういう人で成り立っている店だから」とほほ笑んだ。
[時事通信社]
最新ニュース
-
保有国債、含み損13.6兆円=過去最大―日銀中間決算
-
文通費改革、参院も協議開始=衆院は少数党派から聴取
-
イスラエル・レバノン停戦=米発表、対ヒズボラで転換点―ネタニヤフ氏「違反なら攻撃」
-
自治体に検討の努力義務=政府クラウドで法案―デジタル庁
-
赤ちゃん用おむつ参入=王子ネピアから生産設備取得―アイリスオーヤマ
写真特集
-
【野球】慶応大の4番打者・清原正吾
-
【競馬】女性騎手・藤田菜七子
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕
-
【近代五種】佐藤大宗〔パリ五輪〕
-
【アーティスティックスイミング】日本代表〔パリ五輪〕
-
【ゴルフ】山下美夢有〔パリ五輪〕
-
閉会式〔パリ五輪〕
-
レスリング〔パリ五輪〕