前国防相らの党籍剥奪=収賄などの疑い、軍からも除名―中国共産党
【北京時事】中国共産党は27日の中央政治局会議で、李尚福前国防相と魏鳳和元国防相の党籍剥奪を決めた。いずれも政治規律に著しく違反し、職務を利用して他人に便宜を図った収賄などの疑いがあるという。党と軍の高官経験者であり、事態は深刻で影響が大きいと判断した。国防相経験者2人が同時に処分されるのは極めて異例。
軍の最高指導機関である中央軍事委員会はこれに先立ち、両氏の軍からの除名と、李氏の陸軍上将、魏氏のロケット軍上将の階級取り消しを決めた。李氏の党籍剥奪処分は、7月中旬に開かれる党の重要会議、第20期中央委員会第3回総会(3中総会)で追認される。
両氏の調査は、軍の規律部門が昨年8~9月に始めたという。李氏は同8月に公式の動静が途絶え、同10月に国防相を解任された。軍事装備品に絡む不正で失脚したとみられていたが、具体的な解任理由は明らかにされていなかった。ロケット軍の初代司令官を務めた魏氏も公の場に姿を現さず、調査の対象になっているとみられていた。
習近平政権では、ロケット軍を中心に大規模な汚職調査が進行中とされてきた。昨年以降、ロケット軍の司令官が突然交代し、軍需産業大手の幹部が要職を解かれるなど、李氏のほかにも異例の人事が続いていた。
習国家主席(中央軍事委主席)は今月、陝西省延安で開かれた中央軍事委の政治工作会議で、「わが軍が政治上直面する試練は複雑だ」と危機感を表明。「軍に腐敗分子の隠れ家があってはならない」として、「反腐敗」の徹底を指示していた。
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