業績不振や不祥事に厳しい声=株主総会ピーク、670社開催
上場企業の株主総会が27日、ピークを迎えた。3月期決算企業の3割に当たる約670社が開催し、株主からは業績の低迷や不祥事に厳しい声が相次いだ。投資ファンドなどによる株主提案も多く、経営陣は謝罪や釈明に追われた。
「2年連続の大幅な純損失を深くおわびする」。シャープの呉柏勲社長は堺市で開いた総会の冒頭、業績不振を陳謝した。前日の26日に社長交代を発表するドタバタ劇まで演じ、株主は「収益改善の道筋が不透明だ」と不満を募らせた。総会後に社長に就任した沖津雅浩副社長は「株主の期待に応える」などと防戦を強いられた。
三菱UFJフィナンシャル・グループは、傘下の銀行と証券2社が顧客企業の情報を不正に共有していたとして、24日に金融庁から行政処分を受けたばかり。東京都内で開いた総会で、株主からは「経営陣の指導力はどうなっているのか」と疑問の声が上がり、亀沢宏規社長は「法令順守意識の浸透と監視体制の強化を図る」と強調した。
衣料ブランド「ニューヨーカー」などを展開する中堅アパレルのダイドーリミテッドでは、株主の投資会社ストラテジックキャピタル(東京)が独自の取締役選任案を提出。都内で行われた総会で、取締役8人のうち、会社提案の5人、株主提案の3人が選任される玉虫色の決着となった。
製紙大手北越コーポレーションは新潟県長岡市で総会を開催。香港系投資ファンドのオアシス・マネジメントが提出した岸本晢夫社長の解任案は、北越コーポ大株主の大王海運(愛媛県四国中央市)が賛同を表明したが、否決された。
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