景気判断、据え置き=物価対策「二段構え」―6月経済報告
政府は27日に公表した6月の月例経済報告で、景気の現状に関し「このところ足踏みも見られるが、緩やかに回復している」とする全体判断を据え置いた。先行きについても「緩やかな回復が続くことが期待される」との判断を維持する一方、欧米で高い金利水準が続くことに伴う景気の下押しリスクを指摘。物価上昇や中東情勢などの影響にも「十分注意する必要がある」と警戒感を示した。
その上で、物価高への対応に関し「年金生活世帯や中小企業に厳しい状況が続いている」と指摘。「早急に着手可能で即効性のある対策を講じるなど、二段構えでの対応を行っていく」との方針を示した。岸田文雄首相が21日の記者会見で、電気・ガス代補助の再開や、秋の経済対策で低所得者らへの給付金を検討する方針を打ち出したことを反映させた形だ。
景気判断の内訳では、個人消費を「持ち直しに足踏みが見られる」に据え置き。公共投資は前月までの「堅調に推移」から「底堅く推移」に下方修正。国土交通省所管の統計がさかのぼって改定され、公共工事出来高が減ったことを反映した。生産はダイハツ工業などによる認証不正問題の影響が薄まり、表現を変更した。
[時事通信社]
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