研修医が誤診、高校生死亡=上級医に相談せず―日赤名古屋第二病院
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院(名古屋市昭和区)は17日、研修医が昨年、男子高校生=当時(16)=の消化器疾患を誤診し、高校生が死亡する医療過誤があったと発表した。研修医はコンピューター断層撮影装置(CT)検査で胃の異常を認めたが、上級医に相談していなかった。
同病院によると、高校生は十二指腸が狭窄(きょうさく)する「上腸間膜動脈症候群(SMA症候群)」により、腸閉塞を引き起こし、胃が過拡張していた。早期に胃管を挿入して減圧するなど、適切な処置をしていれば救命できた可能性が高かったとみられるという。
高校生は2023年5月28日、嘔吐(おうと)などの症状を訴え救急外来に搬送された。研修医はCT検査を実施し、胃の過拡張を認めたが、胃腸炎と診断し、帰宅させた。高校生は症状が改善しないため、翌日、同病院を再受診したところ、別の医師が前日撮影したCT画像からSMA症候群の疑いがあるとした。
高校生は入院したが、同30日未明、脱水症などにより一時心肺が停止。意識不明のまま同年6月15日に死亡した。
佐藤公治院長は記者会見で「未来ある患者を救うことができず、大変申し訳ない」と謝罪した。同病院は今後、遺族に補償する方針。
[時事通信社]
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