軍事対話促進で合意=「違い克服」、経済関係を深化―中豪首相
【シドニー時事】オーストラリアを訪れている中国の李強首相は17日、首都キャンベラでアルバニージー首相と会談した。中国軍機が豪軍ヘリコプターに向けて照明弾を投下した問題などを踏まえ、衝突回避へ軍事対話を促進することで合意した。共同声明では「違いを賢明に克服していく」と強調。経済面の協力を深めて両国関係の安定化を図ることでも一致した。
中国空軍機は5月に韓国沖の国際水域で豪海軍ヘリの至近距離から照明弾を投下。昨年11月には中国海軍の艦艇が日本の排他的経済水域(EEZ)で豪艦に音波を発射し、豪兵が軽傷を負った。豪側は「危険でプロ意識を欠く」として再発防止を要求。両首相は軍事対話の活発化に加え、海事問題の対話も開始することで合意した。
アルバニージー氏は共同記者発表で、台湾海峡や南シナ海での中国の覇権主義的動きを念頭に「いかなる国も支配したり、支配されたりしてはならない」とけん制した。李氏は会談で、「陣営対立と『新冷戦』に反対する」と指摘し、米英豪の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」を通じた原子力潜水艦配備計画などに懸念を示した。
[時事通信社]
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