前国防相が政権離脱、首相に痛手=死者多数も「戦争犯罪」否定―イスラエル
【カイロ時事】イスラエル戦時内閣メンバーのガンツ前国防相は9日、パレスチナ自治区ガザの戦後統治の在り方を巡ってあつれきが生じていたネタニヤフ首相とたもとを分かち、政権から離脱すると表明した。首相の座を狙うとみられているガンツ氏は今後、野党の立場で政権批判を強めるとみられ、ネタニヤフ氏に打撃となりそうだ。
米メディアによると、昨年10月のイスラム組織ハマスによる奇襲を受け、ガンツ氏は国家としての団結を図るため政権入り。軍人出身で、バイデン米政権からも「心が通じる穏健派」として信頼が厚かった。
だが、ネタニヤフ氏が戦争のかじ取りを進める中、ガンツ氏は自らに十分な権限が与えられていないことに不満を強めていたという。「開戦時のイスラエルの団結は終わった」とも伝えられている。
一方、ガザ当局が「274人が死亡した」と主張する中部ヌセイラトの難民キャンプに対するイスラエル軍の攻撃について、同国のカッツ外相は9日、X(旧ツイッター)に「ハマスのテロリストらに死者が出たことに文句を言い、戦争犯罪だと非難しているのは、イスラエルの敵だけだ」と投稿。「人質全員の解放とハマス壊滅が実現するまで、われわれは自衛権に基づき、決意と強さを持って行動する」と強調した。
難民キャンプでは当時、イスラエルが人質救出作戦を実施していた。軍はパレスチナ人の犠牲者が「100人未満」と推定しているが、多くの民間人が巻き込まれたのは間違いなさそうだ。
[時事通信社]
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