世界経済の停滞リスク対処=問われる結束、G7でも自国優先―イタリアでサミット
先進7カ国首脳会議(G7サミット)が13日から、イタリア南部プーリア州で開かれる。堅調さを保つ世界経済だが、長引くウクライナや中東での紛争、インフレといった下振れリスクがくすぶる。米中対立など世界経済の分断は中期的な成長の停滞を招くとされ、特に先進国の低成長が懸念される。選挙を控え、G7でも自国優先主義が強まる中、新興・途上国を巻き込んだ持続的な成長の絵を描けるかが問われる。
国際通貨基金(IMF)によると、2029年の世界全体の実質GDP(国内総生産)成長率は3.1%。IMFによる5年後の成長率予想は00年代~10年代半ばには4%を大きく上回る水準が続いてきたが、大幅な成長鈍化を見込む。特に深刻なのはG7で、新興・途上国にドル換算の名目GDPの合計で27年に逆転される可能性がある。
世界経済の下押し圧力となっているのが、激しさを増す米中摩擦だ。巨額の補助金で電気自動車(EV)などを大量生産する中国に対し、米国は自国産業の保護へ制裁関税の引き上げを決定。今回のG7サミットでも中国の過剰生産が世界経済に及ぼす悪影響に厳しい意見が出るのは必至だ。
中国も報復の構えを見せており、分断により中国の経済成長率は29年に3.3%と、23年比で1.9ポイント下落する見通し。「中国だけでなく米国も疲弊する」(国際関係筋)との懸念も強く、アジア経済研究所は、米中対立によって30年の世界GDPが2.3%下押しされると試算する。
中国の非市場的慣行を非難するG7だが、「自国を守るためにルールを無視している点で、米国は中国とあまり変わらない」(同)との声も強い。先月開いたG7財務相・中央銀行総裁会議では、開幕前にフランスのルメール経済・財務相が「貿易戦争は世界のどの国の利益にもならない」と訴え、温度差ものぞかせた。
議長国イタリアが重視する人工知能(AI)を巡っては、AIの可能性とリスクという「光と影」が議論される。生産性の向上で経済を底上げする期待は高いが、誤情報の拡散や格差の助長といった負の側面も指摘される。欧州連合(EU)をはじめ法制化の動きが加速する中、首脳間で共通理解を深められるかが焦点となりそうだ。
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