停戦いまだ見えず=学校空爆に批判―ガザ戦闘8カ月
【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザでイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから、7日で8カ月が経過した。イスラエルによる激しい攻撃が続き、ガザの死者は既に3万6700人を超えた。深刻化する人道危機の打開に向け、停戦交渉を前進させようと仲介国の努力が続くが、イスラエル、ハマスとも強硬姿勢を崩しておらず、妥結への道筋は見えていない。
バイデン米大統領は5月末、イスラエルがまとめた包括的な新提案を発表した。新提案では、第1段階で6週間の停戦期間を設け、イスラエル軍のガザ撤収を盛り込む第2段階の「恒久的な敵対行為の終結」に向けた協議を開始するとされる。
だが、イスラエルのネタニヤフ首相は「戦争をやめるつもりはない」と明言している。米メディアによると、これに対しハマスのガザ地区トップ、ヤヒヤ・シンワル氏は、イスラエルが恒久停戦を保証しない限り、取引に応じないと表明。「ハマスは武器を放棄しない」とも述べ、停戦機運はしぼんでいる。
仲介国カタールの外務省報道官は6日、ハマスから新停戦案への回答はなく、「まだ精査しているようだ」と語った。しかし、ハマス政治部門幹部は6日、AFP通信に、同案について「バイデンが演説で語った言葉にすぎず、文書化された提案は示されていない」と主張した。
そうした中、イスラエル軍は6日、ガザ中部ヌセイラトで国連運営の学校を空爆し、ハマス戦闘員を殺害したと明らかにした。一方、ロイター通信によると、ガザ当局は学校がハマスとは無関係で、女性や子供を含む40人が死亡したと発表。「民間人が代償を払う恐ろしい事例が再び起きた」(グテレス国連事務総長)など、国際社会からの批判が高まっている。
米国務省のミラー報道官は6日、ハマス戦闘員が時折、民間施設に潜伏しているとのイスラエルの分析を信じるとしつつ、「今回の攻撃で子供14人が死亡したとの情報がある」と述べ、イスラエルに情報公開を求めた。ハマス関係者は学校空爆を「虐殺であり、人類の恥だ」と強く非難しており、態度を一層硬化させる恐れもある。
[時事通信社]
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