2024-06-06 21:26World eye

中国、台湾の国交締結国パラオに大規模サイバー攻撃か

【東京AFP=時事】】南太平洋の島国パラオのスランゲル・ウィップス大統領は5日、同国が大規模なサイバー攻撃を受けていると述べ、中国を非難した。パラオは、中国が自国の一部だと主張する台湾と外国関係を持つ12か国の一つ。≪写真は東京の日本外国特派員協会で記者会見するパラオのスランゲル・ウィップス大統領≫
 パラオ政府から2万件以上の文書が盗まれたとする米紙ニューヨーク・タイムズの報道を受け、台湾政府は3日、パラオのデジタル防衛強化を支援する用意があると申し出た。
 ウィップス氏によると、文書が盗まれたのは、パラオが米国と向こう20年にわたる新たな経済・安全保障協定に署名した直後の3月だった。
 ニューヨーク・タイムズによると、盗まれた文書はダークウェブに出回った。ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)犯罪グループ「ドラゴンフォース」が犯行声明を出したという。
 ウィップス氏はデータを分析した結果、ランサムウエアはロシアで開発された可能性が高く、マレーシアから送信され、「中国とのつながりがあるようだ」と述べた。
 このサイバー攻撃の背後に金銭的は動機はないとして、単なる「嫌がらせ」だと断定し、流出した文書には「個人情報」が含まれていたと語った。
 さらにウィップス氏は「中国がわれわれの境界を尊重しない事件はこれが初めてではない」「(中国の)調査船はわが国の領海内で許可なく活動している」と非難した。
 中国外務省の毛寧報道官は4日、このサイバー攻撃疑惑について問われると、ニューヨーク・タイムズの報道は承知していないと回答した上で、「中国は常にいかなる形のサイバー攻撃にも反対し、厳格に取り締まっている」と付け加えた。
 ウィップス氏はこの事件は「警鐘」だとし、台湾、日本、米国からデジタル防衛強化の支援の申し出を受けたと述べた。【翻訳編集AFPBBNews】

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