「デフレ完全脱却」実現へ=骨太方針の骨子案判明―持続成長へ新局面強調
政府が6月にも策定する経済財政運営の基本指針「骨太の方針」の骨子案が31日、判明した。「デフレ完全脱却」の実現に向けた決意を表明。「成長型の新たな経済ステージへの移行」を掲げ、賃上げの定着や社会課題解決を通じた持続可能な経済社会の構築を目指す。近く開く経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)で示す。
骨子案には、豊かさを実感できる経済の実現に向け、今春闘で実現した高水準の賃上げの定着と価格転嫁対策の徹底を盛り込む。また、成長分野への労働移動の円滑化など労働市場改革に取り組む方針を示す。
持続的な経済成長の実現に向けては、中堅・中小企業の活性化を重視。人手不足への対応や輸出・海外展開を支援し稼ぐ力を強化する。また、脱炭素に向けたGX(グリーントランスフォーメーション)などの革新的技術に関する投資や社会実装を推進するとともに、スタートアップ(新興企業)の支援へ、人材育成を含むネットワークの形成を加速し社会課題への対応などに取り組む。
人口減少が進む中、中長期的に持続可能な社会を実現するため、引き続き全世代型社会保障の構築や少子化対策・子ども政策、地方行財政基盤の強化に取り組む方針も示す。
骨太の方針の正式名称は「経済財政運営と改革の基本方針」で、政権の重要課題や翌年度予算編成の方向性が示される。首相が議長を務める経済財政諮問会議での審議・答申を経て、毎年6月ごろに閣議決定する。
[時事通信社]
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