パナマ先住民1200人、島から本土へ移転 海面上昇で立ち退き
【カルティ(バハマ)AFP=時事】中米パナマで29日、気候変動に伴う海面上昇を受けカリブ海に浮かぶ小島を立ち退くことになった先住民約1200人に対し、政府が用意した本土の住宅の引き渡しが行われた。パナマで気候変動の影響で住居移転を余儀なくされる住民として、初めての集団となった。≪写真は、パナマのグナヤラ先住民保護区に造成された、先住民グナの人々が移転する住宅地≫
新居に移るのはカルティスグトゥプ島に住む先住民「グナ」の人々。同じ海域の他の島と同じく、土地の高さは海抜50センチ~1メートルしかなく、家屋は定期的に浸水。専門家は、海面上昇が進めば住環境は一段と悪化すると警告していた。
島の住民は漁業やキャッサバ・料理用バナナの栽培、伝統織物の生産、観光業などで生計を立てていたが、飲み水や下水施設、常時使用可能な電気はなかった。
このため政府は、カリブ海に面するグナヤラ先住民保護区に「ヌエボカルティ(新カルティ)」と呼ばれる集落を1220万米ドル(約19億円)かけて造成。
この日、ヌエボカルティを訪れたラウレンティノ・コルティソ大統領は、最初の入居家族に新居の鍵を手渡した。
ヌエボカルティは故郷の島からボートで約15分の距離だが、グナの人々にとっては「大移動」となる。実際の入居は来週始まる予定。
新居の前でビダルマ・ヤネスさん(57)はAFPに対し、「わくわくしている。家は小さいがきれいだし、とても居心地がいい」と話した。【翻訳編集AFPBBNews】
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