2024-05-19 14:02政治

野党、規正法改正で駆け引き=立・国連携も溝、維新は独自色

 自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法改正を巡り、野党各党が駆け引きを続けている。自民案を批判する立場は共通するものの、次期衆院選に向け、それぞれが政権批判票の受け皿になろうと改革姿勢をアピール。立憲民主党と国民民主党は改正案の共同提出で合意したが、政治資金パーティーの規制では溝が埋まらなかった。日本維新の会は独自路線を選んだ。
 「自民党の中途半端な案に対し、明確な対案として一致できたことは大きな前進だ」。立民の泉健太代表は18日、千葉県柏市で記者団に対し、国民と共同提出で合意した「成果」を強調した。衆院政治改革特別委員会で改正案審議や修正協議が本格化するのを前に、「大きな固まり」(岡田克也幹事長)として交渉力を強め、衆院選での両党の連携にもつなげたい思惑がある。
 一方、国民は衆院が7議席のため、単独で法案が提出できない事情があった。立民からの共同提出の呼び掛けは「助け船」だったが、衆院選の新人候補に対抗馬を擁立した立民への不信感が根強い。「立民と一緒に法案を提出することが後々の選挙や政局にとっていいことなのか」といった慎重論があった。
 それでも古川元久国対委員長らが今後の与野党協議で存在感を示そうと、立民との協議を重ねて合意にこぎ着けた。ただ、パーティー規制では立民が全面禁止を、国民民主は「派閥による開催」禁止をそれぞれ主張し、最後まで平行線だった。
 立民は維新にも共同提出を呼び掛けたが、距離は縮まらなかった。維新は次期衆院選で野党第1党の座を立民から奪取することを狙っており、「違い」を明確化させることを優先した。
 維新はパーティーの意義は認めた上で企業・団体による券購入禁止など「抜本的な見直し」を掲げる。藤田文武幹事長は、立民が「全面禁止」を訴えながらも法改正を待たずに率先して実行しない姿勢をやり玉に挙げ「覚悟がない。高い球を投げているだけだ」と批判している。
 維新は国会議員に月100万円が支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開を特に重視。自民は見直しに向けた協議を維新に呼び掛けており、野党の足並みの乱れを誘っている。 
[時事通信社]

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