容体回復の兆候=政権批判の詩人を拘束―スロバキア首相銃撃
【ベルリン時事】スロバキアのフィツォ首相が15日午後、中部ハンドロバで銃撃され、搬送先の病院で集中治療を受けた。一時危篤状態が伝えられたものの、政府高官は同日、英BBC放送で「現時点では命の危機はない」と述べ、回復の兆候があると説明した。一方、政府は犯行について、「政治的な動機に基づいて暗殺が試みられた」と指摘した。
撃った男はその場で拘束。男はスロバキア西部に住むアマチュア詩人(71)で、一部メディアによると、銃撃後にフィツォ政権への反対を訴えた。
現地報道などによると、フィツォ氏は、公共施設で閣議が開かれた後、外に集まった支持者らと交流中に銃撃された。男は市民に紛れ、拳銃で5発を発砲。フィツォ氏は腹部を撃たれて倒れた。頭部を負傷したとの情報もある。
フィツォ氏は左派「スメル(道標)」を率いて昨年9月の総選挙を制し、3度目となる首相に就任。ロシアの侵攻を受けるウクライナへの軍事支援を止めたほか、最近はメディアや司法の改革を推し進めていた。野党や欧州連合(EU)は、報道の自由や法の支配が損なわれると懸念を示し、国内では抗議活動が活発化していた。
[時事通信社]
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