子ども食堂、被災地で活動続く=外からの支援「頼みの綱」―能登地震
子どもや親子らに無料や低価格で食事を提供する「子ども食堂」の活動が、能登半島地震の被災地で続けられている。被害の大きい奥能登地域では、現地の運営組織が被災のため活動が困難となっているケースもあり、石川県内や全国からの支援が頼みの綱となっている状況だ。
石川県珠洲市では3月末、県内外の子ども食堂など6団体が合同で出張型の子ども食堂を開催した。子どもが喜びそうな祭りの屋台を意識し、チョコバナナ、わたあめ、豚しょうが焼き丼などのメニューを用意。この日は親子連れなど計約50世帯が訪れ、子どもたちは歓声を上げながら、温かい料理やおやつに舌鼓を打っていた。
同県能登町から3~8歳の子ども4人と来た波瀬めぐみさん(34)は、勤務先の珠洲市の工場が被災し、仕事に復帰できるめどが立っていない。収入面の不安から気軽にスーパーに行くのもはばかれるといい、「こうした支援を活用して、何とかやりくりしていかないと」と話した。
被災地で活動する金沢市の子ども食堂「かなざわっ子nikoniko倶楽部(くらぶ)」の喜成清恵代表(53)によると、被害が大きかった輪島市では地震前、8カ所の子ども食堂が活動していた。しかし、運営する同市社会福祉協議会では職員が被災した上、ボランティア受け入れなどに忙殺されており、活動が難しくなっている。
喜成代表は「金沢市での物資配布に、片道4時間かけて輪島市から受け取りに来た被災者もいた。自宅避難など孤立しがちな世帯のためにも、現地での活動継続は必要だ」と話す。
全国の子ども食堂を支援するNPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」(東京都渋谷区)は、被災地の子ども食堂を支援する団体を資金援助しており、基金を設置して寄付も募っている。
同法人の森谷哲プロジェクトリーダーは「子ども食堂は食べるだけでなく居場所としても機能している。避難先から戻った人が集えるなど、コミュニティーの再生にもつながる」と話し、支援の必要性を訴えた。
[時事通信社]
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