イスラエル、ラファ作戦へ「前進」=エジプトに軍高官ら派遣
【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスと交戦するイスラエルの政府報道官は24日、「(最南部)ラファでの対ハマス作戦に向かって前に進んでいる」と述べた。既にネタニヤフ首相の命令を待つだけとの報道もあり、避難民ら120万人が身を寄せるラファで、米国などが反対する地上戦が近く開始される恐れが高まっている。
AFP通信によれば、政府報道官は昨年10月以降、「ハマスの24大隊のうち少なくとも18か19をせん滅した」と強調。「ラファに残る複数の大隊はイスラエルから身を守ることはできず、攻撃を受ける」と述べた。予備役の2旅団が「ガザでの戦術的任務のため」動員済みという。
ロイター通信によると、イスラエル国防省は約10人が入れるテントを計4万張り購入し、避難民のためにガザに設営する計画。政府筋は、ネタニヤフ氏らの戦時内閣が今後2週間以内に、民間人退避計画を承認するための会合を開くと語った。
ただ、実際に地上侵攻すれば多数の犠牲者が出るのは避けられないとみられ、イスラエルへの批判が高まるのは必至だ。特に米国は「全面的な軍事侵攻は多大な害を及ぼす」(国務省のミラー報道官)とし、市民の巻き添えに懸念を表明。ハマス指導部を標的とした代替案を求めている。
米ニュースサイト「アクシオス」は、イスラエルのハレビ軍参謀総長と国内治安機関シャバク(シンベト)のバー長官が24日にエジプトを訪問し、同国高官とラファ侵攻について協議したと報じた。エジプトは多数のパレスチナ人が自国に流入する事態を懸念。これまでのイスラエル側との協議で、実際にそのような事態が起きれば、イスラエルとの関係断絶につながりかねないと警告してきたという。
[時事通信社]
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