奈良のシカ、駆除エリア拡大へ=無期限飼育を見直し―「虐待疑惑」契機
国の天然記念物「奈良のシカ」の保護計画について、奈良県の有識者会議が3月末、シカの駆除が可能なエリアを広げる方針を決めた。これまで農作物に被害を与えたシカを無期限飼育としていたエリアを見直す。今後、駆除方法など具体的な検討を進め、2025年度中に新たな保護計画をまとめる予定だ。
奈良のシカは、奈良公園や周辺の山林などに生息する野生のニホンジカで、保護対象となっている。しかし、シカによる農作物への被害が問題となったことで、県は生息域を奈良公園を中心とした「保護地区」とその周辺の「緩衝地区」、さらに外側の「管理地区」の三つに区分。シカが問題を起こした場合、緩衝地区では駆除せずに「特別柵」と呼ばれるエリアで無期限で飼育し、管理地区では17年以降、駆除を実施してきた。
ただ、特別柵で飼育されたシカを巡り、保護活動に取り組む「奈良の鹿愛護会」に所属する獣医師が昨年、「虐待が疑われる」と県と奈良市に通報。その後の調査で虐待自体は否定されたが、「特別柵の収容環境が不適切」などの指摘を受けた。
指摘を受け、山下真知事は「収容するシカの数に限界が来ている。特別柵やシカの保護範囲の在り方について検討したい」と述べ、有識者会議「奈良のシカ保護管理計画検討委員会」内に部会を設置。保護計画の見直しについて検討が進められてきた。
見直し方針について、有識者会議の村上興正委員長は「駆除が必要な根拠をデータで示し、丁寧な説明をすれば市民の理解も得られると考えている」と話した。
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