2024-09-06 18:22

「ベベ」、不屈の銅に誇り=フォロワー135万超の剣士―車いすフェンシング〔パラリンピック〕

「ベベ」の愛称で知られる車いすフェンシング女子のベアトリチェ・ビオ=5日、パリ(AFP時事)
「ベベ」の愛称で知られる車いすフェンシング女子のベアトリチェ・ビオ=5日、パリ(AFP時事)
 インスタグラムのフォロワー数は135万人超えのインフルエンサー。世界的な人気を誇り、「ベベ」の愛称で知られる車いすフェンシング女子のベアトリチェ・ビオ(イタリア)が、パリ・パラリンピックのフルーレ個人(障害B)と同団体で銅メダルを獲得した。
 4日の個人戦は準決勝で中国選手に敗れ、3大会連続金メダルの夢がついえた。「メダルは絶対に諦めてはいけない」と切り替え、3位決定戦で韓国選手に15―2で快勝。逆境に前向きに立ち向かう生きざまを示し、会場のグラン・パレで感情をむき出しにした。
 11歳の時に髄膜炎のため両肘から先と両膝から下を切断。義手と義足を着け、5歳で始めたフェンシングを諦めなかった。両親と共に障害者の支援団体を設立し、子供たちにパラスポーツを体験する機会を提供。27歳はモデル活動もこなし、幅広い分野で情熱的に輝いている。
 今大会は開会式で聖火ランナーも務めた。東京大会後に肩などの手術を受け、苦しい時期を経てメダルを手にし、「とても価値があり、美しい。誇りに思う」。困難から逃げずに挑戦し、打ち勝った。その姿は、人々を勇気づける力強いメッセージとなった。
車いすフェンシング女子フルーレ団体3位決定戦で勝ち、喜ぶイタリアチーム。中央がベアトリチェ・ビオ=5日、パリ(AFP時事)
車いすフェンシング女子フルーレ団体3位決定戦で勝ち、喜ぶイタリアチーム。中央がベアトリチェ・ビオ=5日、パリ(AFP時事)