2024-09-05 16:19

レーム、貫禄の4大会連続金=五輪超えならずも「名誉」―陸上〔パラリンピック〕

男子走り幅跳び(義足T64)で優勝したマルクス・レーム(中央)=4日、サンドニ(AFP時事)
男子走り幅跳び(義足T64)で優勝したマルクス・レーム(中央)=4日、サンドニ(AFP時事)
 パリ・パラリンピックの陸上男子走り幅跳び(義足T64)で4日、マルクス・レーム(ドイツ)が5回目に8メートル13をマークし、4大会連続の金メダルを獲得した。健常者のトップ選手に匹敵する跳躍力を誇る36歳は「これだけ長い年月、負けなしなのは非現実的。とても名誉なことだ」と誇った。
 近年は他の選手が実力を伸ばし、かつてない重圧を感じながらも、「よりエキサイティングになるのはいいことだ」と歓迎。目標に掲げたパリ五輪優勝記録の8メートル48には届かなかったが、2位に34センチ差をつけて貫禄勝ちした。
 14歳の時、ウェイクボードでの事故で右膝下を切断した義足ジャンパー。2021年東京まで2大会連続で五輪出場を求めたことでも話題を集めた。義肢装具士としての顔も持ち、「今の若い選手は外見に誇りを持っている。数年前まで人々は義足を隠そうとしていたが、今ではファッションの一部だ」と前向きな意識の変化を喜ぶ。
 障害者スポーツの認知度や注目度を高めるため、記録へのこだわりは強い。昨年、自身の世界記録を8メートル72に更新。夢はマイク・パウエル(米国)が持つ健常者の世界記録(8メートル95)を上回る9メートル超えだ。パラ選手の大きな可能性を証明するための挑戦は続く。
男子走り幅跳び(義足T64)決勝、マルクス・レームの跳躍=4日、サンドニ(AFP時事)
男子走り幅跳び(義足T64)決勝、マルクス・レームの跳躍=4日、サンドニ(AFP時事)