2024-09-05 08:10

【アジア風・ソウルだより】集中力

◆17日間の熱戦を終えたパリ五輪。韓国でも連日大きく報道された。韓国はサッカーやバレーボールといった団体球技で出場権を逃したものの、射撃、フェンシング、アーチェリーを表す「銃・剣・弓」の結果が振るったおかげで、金メダル5個の目標を大幅に上回る13個を獲得。歴代最高レベルの成績を収めた。
◆競技を見ていて一番驚いたのが、アーチェリーの選手たちの集中力だ。ハチが飛び、手に止まる状況でもびくともせず、冷静に的に命中させていたからだ。
◆驚異の集中力の秘密は、野球場やサッカー場の騒音を耐えしのぐ訓練や、実際の競技場を再現した実戦訓練といった日頃のトレーニングにある。選手らの心拍数を測定する機械も導入されたという。
◆こうした訓練は、現代自動車グループの全面的な支援によるもの。グループの鄭義宣会長は大韓アーチェリー協会会長を務め、新たな技術や訓練法を取り入れるなどして選手らを手厚くサポートしてきた。
◆背景に財閥の力があるのはいかにも韓国らしいと思ったが、好成績は選手自身はもちろん、支援する側の努力のたまものであることは疑いない。韓国選手団の栄光をたたえたい。(望)