2024-09-03 12:47

成熟の日本、悲願達成=池主将「夢かなった」―車いすラグビー〔パラリンピック〕

車いすラグビー決勝で米国に勝ち、喜ぶ(左から)池、乗松、橋本=2日、パリ
車いすラグビー決勝で米国に勝ち、喜ぶ(左から)池、乗松、橋本=2日、パリ
 国旗を掲げて歓喜に沸く観客に、選手たちは手を振って感謝を伝えた。池主将は笑顔で仲間と抱き合い、「夢がかなったという感情を受け止められず、爆発を抑えていた」と喜びを語った。
 第1ピリオドは米国の堅守に阻まれ思うように得点できず、11―14とリードを許した。第2ピリオドに入ると守備からリズムをつくり、相手のミスに乗じた得点などで24―23と逆転した。
 一進一退の展開の中、「流れを切らさないように」(岸監督)第3ピリオド序盤以降は選手交代をしなかった。障害が軽く得点力が期待される相手の「ハイポインター」にボールを触らせないよう徹底した守備と、池と22歳で最年少の橋本の得点力がかみ合い、最終ピリオドに突き放した。
 大声援の中でも落ち着いてコミュニケーションを取ることができた。普段から国際大会を想定し、歓声を流しながら実戦方式の練習を重ね、アイコンタクトやジェスチャーで連係を高めてきた成果を発揮した。
 池や橋本の活躍の一方、障害が重い乗松や女子選手の倉橋らの守備力も光った。粘り強く相手に対峙(たいじ)してミスを誘った乗松は「個人としてではなく、チームでつかんだ勝利」と強調した。
 初出場の草場以外は3年前の東京大会を経験したメンバー。2大会連続銅メダルで悔しい思いを味わった選手たちが成熟した姿を示した。4度目の大舞台でついに栄冠をつかんだ池崎は、「苦楽を共にしてきたチームで全てが報われた幸せな瞬間だった」。悲願達成に感無量の表情だった。
車いすラグビー決勝で米国に勝ち、喜ぶ橋本(右)=2日、パリ
車いすラグビー決勝で米国に勝ち、喜ぶ橋本(右)=2日、パリ
車いすラグビー決勝の米国戦で相手選手をブロックする乗松(中央)=2日、パリ
車いすラグビー決勝の米国戦で相手選手をブロックする乗松(中央)=2日、パリ