2024-09-03 12:47

「参加」ではなく「競争」=パリで「パラスポーツ革命」〔パラリンピック〕

競泳女子100メートル背泳ぎ(運動機能障害S8)予選を終え、他の選手と健闘をたたえ合うジェシカ・ロング(右)=8月31日、パリ
競泳女子100メートル背泳ぎ(運動機能障害S8)予選を終え、他の選手と健闘をたたえ合うジェシカ・ロング(右)=8月31日、パリ
 【パリ時事】「参加」ではなく「競争」―。熱戦が続くパリ・パラリンピックでは、「パラスポーツ革命」と呼ぶべき状況が起きている。国際パラリンピック委員会(IPC)が公式ホームページで「アスリートは競争するためにここにいる。ただ参加しているのではない」とのメッセージを添え、大会PR映像をアップ。その中では「ゲーム以上の真剣勝負」とのフレーズも使った。
 「競争」をパラスポーツの価値として前面に出したことに、車いすテニス女子の上地結衣(三井住友銀行)ら多くの選手たちも賛同の姿勢を示している。「パラリンピックに参加するつもりはない。競い合うつもり」などと英語で書かれたメッセージをSNSに投稿した選手もいる。
 競泳女子でパラリンピック6大会連続出場を果たし、16個の金メダルを獲得しているジェシカ・ロング(米国)は「オリンピアンと平等に扱ってほしい」と強調した。陸上男子走り幅跳び(義足T64)で8メートル72の世界記録を持つマルクス・レーム(ドイツ)は、先に開催されたパリ五輪での男子走り幅跳びの優勝記録8メートル48をターゲットにする。「五輪選手より良い記録を出すことで、私たちの競技を広めることができる」と、数字への強烈な執着心を見せる。
 フランスで初の夏季パラリンピックでは、各会場で大声援が連日上がっている。五輪同様の熱い応援も、「革命」の真っただ中にいる選手の真剣勝負を後押ししている。
陸上男子走り幅跳びのマルクス・レーム=2021年9月、東京・国立競技場
陸上男子走り幅跳びのマルクス・レーム=2021年9月、東京・国立競技場