2024-09-02 12:37

希望届けたメッセージ=クダダディ、難民選手団初メダル―パリ・パラリンピック〔パラリンピック〕

女子47キロ級(上肢障害)敗者復活戦でトルコ選手に勝ち、喜ぶ難民選手団のザキア・クダダディ(右)=29日、パリ
女子47キロ級(上肢障害)敗者復活戦でトルコ選手に勝ち、喜ぶ難民選手団のザキア・クダダディ(右)=29日、パリ
 【パリ時事】パリ・パラリンピックのテコンドー女子47キロ級(上肢障害)で29日、難民選手団のザキア・クダダディ(25)が銅メダルを獲得した。2016年リオデジャネイロ大会で初結成された難民選手団で、初のメダル。「夢みたい。この日を一生忘れない」。感激で胸がいっぱいになった。
 準々決勝で敗れた後の敗者復活戦は、残り2分を切ってから逆転。次々と有効な蹴りを決めて快勝した。3位決定戦は不戦勝。コーチと共にパラリンピック旗を広げてコート上を駆け回った。観客は、パリ在住のクダダディへ地元選手のような大声援を送り、メダル獲得を総立ちで祝福した。
 アフガニスタン西部ヘラート州の出身。生まれつき左腕に障害がある。前回東京大会では、開幕前に女性を抑圧するイスラム主義組織タリバンが復権。脅迫されながらも他国の支援を受けてアフガン代表として出場した。大会後、母国を離れてフランスで難民となった。
 アフガンでは女性や障害者への差別や偏見が根強くあると訴える。「いつの日か世界中の女性、難民に自由が訪れてほしい。平和、自由、平等のため、多くの決意がある」。苦難に負けず、強さを証明したこのメダルが、世界に希望や勇気を届けるメッセージとなることを願った。 
テコンドー女子47キロ級(上肢障害)敗者復活戦でトルコ選手を攻める難民選手団のクダダディ(右)=29日、パリ
テコンドー女子47キロ級(上肢障害)敗者復活戦でトルコ選手を攻める難民選手団のクダダディ(右)=29日、パリ