2024-08-29 21:49

川渕、緊張の大舞台=最年少の15歳―競泳〔パラリンピック〕

男子400メートル自由形(運動機能障害S9)予選で力泳する川渕大耀=29日、パリ
男子400メートル自由形(運動機能障害S9)予選で力泳する川渕大耀=29日、パリ
 男子400メートル自由形(運動機能障害S9)。15歳の川渕が、競泳日本勢の先陣を切った。
 会場が暗転するなどの派手な演出は、日本では経験することがほぼない。予選は隣のレーンに地元フランス選手がおり、声援がひときわ大きい中のレースだった。「怖いくらい緊張した。手足も震えるくらい」と振り返った。
 緊張のあまり普段ではあり得ないミスが出た。300メートルのターンの時点でゴールしたと勘違い。あわてて泳ぎ直し「絶対やってはいけないこと」と苦笑いを浮かべた。
 生まれつき左脚に障害があり、8歳の時に太ももから下を切断した。幼いころから続けてきた競泳に本格的に打ち込むと才能が開花。中学3年だった今年3月の選考会で、パラ出場の切符をつかんだ。
 日本選手団で最年少。体も成長中で、伸びしろはまだまだある。将来の競泳界を背負うホープが、大舞台でデビューした。