2024-08-27 10:38

急成長、頂点狙う新星=初出場の和田なつき―パラ卓球・「パリで咲く」

 卓球女子(知的障害)でパラリンピック初出場の和田なつき(内田洋行)は、昨年の国際大会で優勝を重ねて急成長を印象付けた。「どんな試合になっても勝ち抜いて、金メダルを取りたい」。パリ大会開幕翌日の29日に21歳になる新星は世界の頂点を見据えている。
 小学校高学年の頃から不登校気味になり、中学2年時に自身に障害があることが判明。中学3年から、当初はダイエットを目的に競技を始めた。「自分の価値が分からない」と思い悩んだ時期もあったというが、同じく障害を抱える海外選手のプレーに勇気づけられた。「自分も頑張れるんじゃないかと思えた」と前向きになれたことを明かす。
 19歳で迎えた昨年6月のジャパン・チャンピオンシップで優勝すると、チェコ・オープンなどの国際大会を続けて制覇。10月には杭州アジアパラ大会でも優勝してパラリンピック出場権を獲得し、一気の飛躍を遂げた。
 身長173センチで、長い腕を生かして繰り出すサービスが持ち味。ラリー中のブロックにも自信があり、「プレーの幅が広い」と胸を張る。パリに向けては体幹トレーニングや、より良い足さばきを研究。「去年の私とは確実に違う」と頼もしく口にする。
 「障害があっても、つらい経験があっても、何かを始めれば変わる。少しの一歩を踏み出せるようになってほしい」。和田には、大舞台でのプレーを通じて伝えたい思いがある。