2024-08-13 12:45

ジェンダー平等、示したパリ=初の出場枠同数、日程にも変化〔五輪〕

柔道混合団体で銀メダルを獲得した日本の選手たち=3日、パリ
柔道混合団体で銀メダルを獲得した日本の選手たち=3日、パリ
 五輪に女子選手が初めて参加したのは1900年パリ大会。同じ「花の都」で開催された今大会では、史上初めて出場枠が男女同数となった。混合種目が前回の東京五輪からさらに増え、競技日程には新たな試みも。世界最大の総合大会が、理念に掲げる「ジェンダー平等」のあり方を示した意義は大きい。
 五輪競技で男女の区別がないのは馬術だけ。過去の大会では、各競技とも女子種目の後に男子が行われることが多かったが、今大会では変化が見られた。柔道は男女の決勝の順番を一日おきに入れ替えて実施。屈指の注目を集めるバスケットボールの決勝は、男子を10日、女子は大会最終日の11日に行った。陸上のマラソンは、閉会式でメダル授与が行われてきた男子を閉幕前日とし、女子が最終日に。閉会式では女子のメダリスト3人が表彰台に上がった。
 国際オリンピック委員会(IOC)は男女同数の参加以外に、男女が共にプレーする混合種目や、実施種目のバランスの見直しも推進してきた。実際の参加はなかったものの、水泳のアーティスティックスイミングは今回から男子もチームに出場が可能に。混合種目は東京大会から二つ増えて20種目が行われ、日本勢は男女混成で柔道、セーリング、バドミントンのメダルを獲得した。
 IOCの担当者は「ジェンダー平等は五輪の中で主要な考え方になっている。ここまでの道のりは簡単ではなかった」とコメント。今後取り組むべき課題には、審判や指導者の女性比率の向上を挙げた。