前日は金メダル獲得の歓喜に沸き立ったフランス競技場で、北口がやりを日本国旗に持ち替えて行進した。ＳＨＩＧＥＫＩＸこと半井と共に閉会式で日本選手団の旗手を務め「光栄」。大会の主役の一人になった２６歳は満面の笑みを振りまいた。
　昨夏の世界選手権を制し、優勝候補として臨んだパリ五輪。不安に押しつぶされそうになりながらも、日本女子の陸上トラック・フィールド種目で初の快挙を遂げ、安堵（あんど）の涙を流した。五輪の頂点に立っても記録は物足りないようで、「まだ満足できない。また頑張る理由ができてほっとした」と話していた。
　この日も大観衆が詰め掛けた競技場。「世界中の人々がスタジアムに集まって、競技ができたことがすごく幸せだった。こんなに多くのお客さんの前で投げたのも初めて」と語った場所で、大会を最後まで満喫した。