2024-07-29 08:14

成熟度増し連覇=阿部一、負けない柔道磨く〔五輪〕

男子66キロ級で金メダルを獲得し、喜ぶ阿部一二三選手=28日、パリ
男子66キロ級で金メダルを獲得し、喜ぶ阿部一二三選手=28日、パリ
 3年間の確かな進化を見せつけた。阿部一が男子66キロ級で連覇を達成。成熟度が増した26歳が柔道人気が特に高いフランスの大観客を沸かせた。
 息詰まる丸山城志郎(ミキハウス)との代表決定戦を制して臨んだ東京五輪で優勝。大きな目標を達成した思いから「再び気持ちをつくり上げるのは難しかった」と認める。それでも「やらないという選択肢はない」。
 得意の担ぎ技だけでなく、足技を「自然に出るぐらいまで」徹底的に磨いて攻撃の幅を広げた。常に「負ける覚悟」を持つことで、決して勝負は焦らず、勝負どころは逃さない「負けない柔道」をつくり上げてきた。共に連覇を狙った妹の詩がよもやの2回戦敗退。動揺がなかったわけではないだろうが、己の柔道を貫いた。
 高校時代から掲げてきた夢は尊敬する野村忠宏さんを超える五輪4連覇。柔道界初の偉業達成へ歩みを止めない阿部一にとってはパリの舞台も一つの通過点。4年後のロサンゼルスでどのような進化を遂げるのか注目される。 
男子66キロ級決勝でブラジルのウィリアン・リマ(左)を攻める阿部一二三=28日、パリ
男子66キロ級決勝でブラジルのウィリアン・リマ(左)を攻める阿部一二三=28日、パリ
男子66キロ級で金メダルを獲得し、抱き合って喜ぶ阿部一二三(右)=28日、パリ
男子66キロ級で金メダルを獲得し、抱き合って喜ぶ阿部一二三(右)=28日、パリ