2024-07-27 16:19

成功に導いた最大規模の警備=マクロン氏「やり遂げた」―前例なき開会式の舞台裏〔五輪〕

 パリ五輪の大会組織委員会は、前例なき壮大なセレモニーを成功させた。パリの「顔」であるセーヌ川を舞台とした、夏季五輪史上初となる競技場外での開会式。当初は警察当局から猛反対されたが、政府、パリ市、組織委が結束して過去最大規模の警備態勢を敷き、混乱なく実現に導いた。
 ロイター通信によると、パリ警察当局トップは2021年に初めて提案を受けた時、「狂気の沙汰だ」と反対した。130人が死亡した15年11月のパリ同時多発テロの悲しみが、消えていなかった。
 華やかなアイデアは、組織委のエスタンゲ会長から独創的な案を探すよう指示を受けた五輪式典責任者が、19年にセーヌ川を散歩中にひらめいたという。賛同したマクロン大統領は「どう思うかではなく、どうすれば実現できるのか知りたい」と警察当局に働き掛けた。
 200を超える国・地域選手団が船に乗り、6キロをパレード。約4万5000人の警察を動員し、他国の警察にも協力を要請した。ルート上の数千ものマンホールが閉鎖され、地下の墓地までくまなく調査された。
 安全面の不安が指摘され続けたが、大きな挑戦を成し遂げた。マクロン大統領は開会式後、自身のX(旧ツイッター)にこう投稿した。「信じてくれた全ての人に感謝する。100年後も語り継がれるだろう。われわれはやり遂げた」。