九州2019.12.18 11:57

ロシアの受け入れは継続へ=福岡県宗像市

「グローバルアリーナ」のグラウンド=13日午前、福岡県宗像市
「グローバルアリーナ」のグラウンド=13日午前、福岡県宗像市

 今月9日、世界反ドーピング機関(WADA)は、ロシアを五輪などの主要国際大会から4年間除外する処分を決めた。2020年東京五輪・パラリンピックでロシアのホストタウンとなっている福岡県宗像市では困惑が広がったが、個人資格で出場する場合に備え、受け入れ準備は今後も続ける方針だ。

 市内の多目的スポーツ施設「グローバルアリーナ」は、7人制ラグビー女子代表の事前合宿地に決まっている。施設担当者の石田達也さんは「ショックです。われわれではどうすることもできない問題」と肩を落とした。

 同施設は、市とロシアが調印式を行った17年から受け入れを開始。学校訪問や着物の着付け体験など市民と選手の交流に力を入れてきた。今年4月に北九州市で開かれた国際大会の事前合宿期間には、宗像市に本拠地を置くラグビートップリーグ「宗像サニックスブルース」とも協力し、小中学生向けのラグビー教室を実施。宿泊時には選手の要望に応え、ロシアの伝統料理ボルシチを提供するなど相互の文化に触れる国際交流を行ってきただけに、石田さんは「受け入れをしようという気持ちに変わりはない」と話す。

 東京五輪・パラリンピックではドーピングへの関与がないと証明された選手に限り、個人資格での参加が認められる。石田さんは「個人として出場できる可能性はまだあるので、今まで通りの準備をしていきたい。待つのみです」と前向きに話した。〔福岡県北部のベッドタウン。2017年7月に「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」がユネスコの世界文化遺産に登録された〕

ロシアラグビー協会より友好の証として宗像市に贈呈された記念のプレート=13日午前、福岡県宗像市
ロシアラグビー協会より友好の証として宗像市に贈呈された記念のプレート=13日午前、福岡県宗像市