小学校と幼稚園でコロンビア料理給食=埼玉県加須市
埼玉県加須市で23日、東京五輪・パラリンピックでホストタウン相手国であるコロンビアの料理を学校給食で提供した。市立の小学校12校と幼稚園7園で実施し、子どもたちと教職員約4300人が同国の食文化に触れた。
コロンビア料理の給食は、ホストタウン登録を記念して昨年3月に全市立小中学校(30校)で初めて実施し、今回が2度目。
市教育委員会学校給食課の栄養士、新井千尋さんは「食文化からホストタウンのコロンビアに興味を持ち、オリパラの盛り上げにつながれば」と期待を寄せる。「昨年の実施後は児童生徒が家に帰ってから『学校でこんなものを食べたよ』と話をし、保護者からレシピを聞かれることもあった」という。後日、メニューの一つでジャガイモやコーンを煮込んだスープ「アヒアコ」のレシピは、給食だよりや市のホームページでも紹介した。
この日の献立はアヒアコのほか、コンソメスープで炊いたコロンビア風チキンライス「アロスコンポーヨ」「フライドガーリックチキン」、同国でよく食べられている豆料理として「ヒヨコ豆のサラダ」、普段の牛乳の代わりにコーヒー豆の栽培が盛んなコロンビアにちなんだ「コーヒーミルク」を用意した。
原道小学校(根岸茂校長)では、153人の児童がコロンビア料理の給食を味わった。5年生のクラス(26人)では給食に先立ち、新井さんが「コロンビアでは日本のカレーライスのように大皿に載せて食べる。コロンビアの料理を給食で再現したので楽しんでほしい」と説明した。
児童らはおいしそうに食べ、5年生の斉藤羽音さん(10)は「チキンがおいしく、コロンビアの雰囲気が味わえた。家族にも伝えたい」と堪能した様子。市ではオリパラ前に選手の事前キャンプが予定されており、「コロンビアの選手にも会ってみたいし、(五輪でも)応援したい」と語った。
根岸校長は「コロンビアのホストタウンとして交流が始まり、遠い存在だった国について給食を通じて知ることができた。原道小では食育にも力を入れており、日本の食文化との違いも分かり、食への理解も深まったのではないか」と感想を述べた。
24、30両日にも同じメニューで残る小中学校と幼稚園で給食を出し、23日も含めて計約1万人の子どもたちと教職員が異国の食文化を体験する。学校給食課の柳田久弥主幹は「夏の五輪開幕直前には市内で聖火リレーも行われる。詳細は未定だが、7月までにもう一度コロンビア給食が実施できれば」と話している。〔県内屈指の稲作地帯。伝統産業「手描きこいのぼり」はかつて生産量日本一を誇り、毎年5月に全長100メートルのジャンボこいのぼりが揚がる〕