関東2020.03.10 15:23

マレーシアもホストタウンに=パラ大会直前キャンプ受け入れ―埼玉県三芳町

協定を交わした三芳町の林町長(中央右)とマレーシアパラ委員会のシャーリマン会長=1月15日午前、クアラルンプール(同町提供)
協定を交わした三芳町の林町長(中央右)とマレーシアパラ委員会のシャーリマン会長=1月15日午前、クアラルンプール(同町提供)

 埼玉県三芳町が、2020年東京五輪・パラリンピックで、オランダに続いてマレーシアのホストタウンとしても登録が決まった。同時に同国の共生社会ホストタウンにも決定し、パラリンピック選手団の大会直前キャンプを受け入れる予定だ。登録はホストタウンが2月28日、共生ホストタウンが3月6日。2カ国以上のホストタウン登録は県内市町村で初めてという。

 町は18年4月にオランダのホストタウンに登録。12月には同国の女子柔道チームが町内で合宿を行うなどの交流を積極的に展開している。今年2月には、オランダの中高一貫校の美術・英語教師カーラ・ファン・デン・ヒュルクさんが、町内の全小中学校で児童生徒と交流し、子どもとオランダ料理の給食を一緒に楽しみ、町役場では職員に自国の文化や人生観などへの理解を深めてもらう研修会も行われた。

 一方、町とマレーシアとの交流は、30年以上前から民間レベルで開始。12年からは中学生を相互に派遣し、17年にペタリングジャヤ市と姉妹都市を締結した。今年1月には林伊佐雄町長がクアラルンプールを訪ね、パラリンピック委員会のダト・シリ・メガット・D・シャーリマン会長に事前キャンプ受け入れを打診し、大会後の交流促進を含めた内容の協定を結んだ。

 今後は、オランダとは7月19日から町内で五輪の女子柔道代表選手の直前キャンプを計画。マレーシアとは8月10日からパラリンピックの陸上、バドミントン、アーチェリー、水泳で代表選手の直前キャンプを受け入れる。パラ大会後もパラリンピアンと住民らと交流し、共生社会の実現を目指し、心のバリアフリー、ユニバーサルデザインのまちづくりなどに役立てる。

 MIYOSHIオリンピアード推進課は「マレーシアとはハラールなど宗教上の違いも理解してもらいながら、来日する人におもてなしができればよい。大会後も交流を深め、パラリンピアンの講演会やパラ競技の体験会などもしたい」としている。〔町と川越、所沢、ふじみ野の3市に広がる「三富新田」と、周辺で引き継がれる伝統農法「落ち葉堆肥農法」は17年に日本農業遺産に認定。特産の「富の川越いも」の生産農家が軒を連ねる「いも街道」では、秋になるとサツマイモなどを買い求める人が訪れる〕