東北2020.03.26 08:16

イタリア事前合宿、いったんキャンセル=仙台市

 東京五輪・パラリンピックでイタリアのホストタウンである仙台市は、今夏に予定していた女子ソフトボールなど計6種目の事前合宿に向けてホテルの確保や関係団体との調整をしていた。しかし、両大会の延期を受け、いったんキャンセルせざるを得なくなった。スポーツ振興課の担当者は「今までの準備は無駄にはならない」と前向きに受け止めている。

 市は同国選手ら計約160人分の部屋を市内ホテルに予約していたものの、順次キャンセルする。まだキャンセル料は発生せず、来年の五輪の日程が決まれば予約を入れ直す考えだ。取材に応じた郡和子市長は「新型コロナの影響で宿泊事業者が苦しい中、心苦しいが日程が決定するのを待ちたい」と述べた。

 4月に入ると事業者との契約が始まり、イベント会場の予約取り消し料が発生する見込みだったため、同課担当者は3月中の決定に胸をなで下ろした。練習で使う運動施設も、今なら1年後の調整ができるという。

 イタリアでは、新型コロナウイルスの感染者が約7万人となった。同担当者は「イタリアで感染が拡大する中、ホストタウン事業の本来の趣旨である市民との交流ができるのか不安だった。早い決定で良かった」と話した。

 市の2020年度当初予算では、他国分も含めた事前合宿費として約2億円を計上。現時点では延期に伴う追加経費は発生しない見込みという。

 一方、課題はパラリンピック代表選手の移動で使う車いす用のリフト付きバスなどの手配だ。リフト付きバスは2台を確保していたが、延期後の日程に合わせて予約が可能か気をもんでいる。〔東北最大の都市。8月の「仙台七夕まつり」には、毎年200万人を超える観光客が訪れる〕