近畿2020.06.15 14:52
コロナ影響で合宿大幅延長=モンゴル選手の生活支援―大阪府泉佐野市
2020年東京五輪・パラリンピックでモンゴルのホストタウンとなっている大阪府泉佐野市。2月に来日したマラソンチームは、新型コロナウイルスの影響で合宿を大幅に延長し、6月11日に帰国した。市はこの間、選手らの生活支援に腐心した。
モンゴルは冬場、昼間でもマイナス20度ほどまで冷え込み、練習が難しい環境にある。監督を含む男女マラソンチーム計8人は2月上旬から約40日間の予定で合宿に参加した。
チームは2月16日の泉州国際マラソン大会に出場。幼稚園のマラソン大会にゲスト参加するなど市民交流も行った。ただ、新型コロナの感染拡大による臨時休校で中学校陸上部との合同練習は中止に。日本とモンゴルを結ぶ定期便が出なくなったこともあり、帰国のめどが立たなくなった。
そうした中で、市はホテルや練習場との送迎を続け、外出時に着用するマスクも提供。モンゴル側は遠慮した様子で要望は少なかったというが、心配した市側が足りないものはないか声を掛けた結果、プロテインや練習シューズなど必要な物資を適宜届けることにつなげた。
チームがチャーター便で帰国の途に就いたのは6月11日で、合宿期間は当初予定の約3倍となる120日を超えた。この間、ホテル代が月約200万円掛かるなど予想外の財政負担も生じた。
市自治振興課の担当者は「ストレスや不安なく練習できるように支援を続けた。(チームの中で)ハーフマラソンの自己記録更新があったのはうれしい」と手応えを語る。一方、帰国後の隔離が長期にわたることから「せっかく合宿で上がったタイムがどうなるか…」と不安も尽きない様子だった。