東北2020.07.14 07:31
サウジの文化学ぶ講演会=岩手県大槌町
来年に延期された東京五輪・パラリンピックで、サウジアラビアの「復興ありがとうホストタウン」に登録されている岩手県大槌町は13日、県立大槌高校で国際協力機構(JICA)の駐在員を講師に招き、同国の文化や習慣、宗教を学ぶ講演会を開催した。3年生の生徒13人が参加し、オンラインで橋本聖子五輪担当相との意見交換にも臨んだ。
大槌町は東日本大震災でサウジアラビアからエアコン設備やLPガスの提供を受けるなどした縁で、昨年11月にホストタウンに登録。今年は本来であれば、同国の選手や関係者が町を訪れ、交流イベントなどが行われる予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止せざるを得なくなった。
そこで、日本に帰国中の森裕之JICAサウジアラビア首席駐在員を招き、同国について知る機会を設けた。町によると、高校生らはイスラム教や文化などに加え、最近授業で学習したSDGs(持続可能な開発目標)について、同国の課題や取り組みを学んだという。
橋本五輪相との意見交換では、生徒の芳賀希実さんが「(町では)郷土芸能が盛んで大槌まつりが大好き。(サウジの人と共に)郷土芸能を体験することで、言語を超えて交流できると思う」と話し、今後の交流事業に期待を寄せた。古川真愛さんは「相互に発信し合い、学び合うことが大事。町の歴史や復興の歩みを学んでもらい、逆に選手からも学びを得たい」と今後の抱負を語っていた。
橋本五輪相は「それぞれの国との交流が次世代の日本の礎になる。高校生ならではの若い力を活用し、サウジアラビアのみなさんとリモートを通じて交流していただきたい」とエールを送った。〔岩手県の沿岸地域に伝わる郷土芸能「虎舞」の公演が盛ん。ウニやホタテ、荒巻サケなど豊かな海産物も自慢の一つ〕