2021-07-23 07:37

IOC副会長に「上から目線」と批判=五輪開会式めぐる発言で―豪

 【シドニー時事】国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ副会長が、23日の東京五輪開会式をめぐる発言で、地元オーストラリアで批判を浴びている。2032年夏季五輪が開催される豪東部ブリスベンの地元政府トップに開会式出席を指示したことが「上から目線」と反発を招いた。
 開会式出席を指示されたのは、21日のIOC総会で32年夏季五輪の開催地に決まったブリスベンを州都とするクイーンズランド州のパラシェ州首相。ブリスベンへの招致活動で訪日したが、豪州で新型コロナウイルス対策のため厳しい出入国規制が行われている中での訪日に豪国内で批判の声があることを考慮し、開会式は滞在先のホテルからテレビで見る意向を示していた。
 ブリスベン五輪の招致を後押ししてきたコーツ氏は21日、東京都内での記者会見で隣に座るパラシェ氏に、多額の費用がかかる開会式がどのように実施されるのか「学習する」ため出席を指示。「部屋の中で座っていてはいけない」と述べた。
 この発言に豪メディアは「ブリスベンの人々は誰が五輪の準備を進めるのか知りたければ、コーツ氏の上から目線の場面を見るべきだ」(シドニー・モーニング・ヘラルド紙)などと批判的に報じた。コーツ氏は地元メディアに「(発言は)冗談」であり、「間違って受け止められた」と釈明している。