2021-07-22 17:13

東京五輪に対し「開催しないほうが良い」=感染拡大きっかけに危惧―マハティール前首相

 【クアラルンプール時事】マレーシアのマハティール前首相は21日のオンライン会見で、東京五輪について「巨費を投じた大会だが、日本は開催しないほうが良いと思う」と述べた。23日の開会式を前に既に選手や関係者の間で、70人以上の新型コロナウイルス感染者が確認されていると指摘し、五輪がさらなる拡大のきっかけになることに危惧した。
 マハティール氏は、1961年に訪日した際に風邪をひいてマスクを着用する日本人の姿を目にした自身の体験を引き合いに出しながら「日本人は健康に気を使ってきた」と振り返った。その上で「日本人が非常に慎重で厳格であることを知っている。マレーシアのような状況になったとしても、日本人は対処できるだろう」と語った。
 しかし、新型コロナの感染力が非常に強く、今回も開幕直前になり徐々に検査で陽性と判断される選手が増えている状況に着目。さらに、海外から訪れる人が増えることも踏まえ「他国からの観客がいれば、彼らはいとも簡単に規律を破るだろう。一緒に集まり踊り回るなどすれば、感染する可能性が高いだろう」と強調、土壇場での大会中止も選択肢だとする考えを示した。