2021-07-06 22:12

山県、異例の大会に決意=「明るく照らすきっかけに」―日本選手団結団式〔五輪〕

 出席した選手は3人だけ。がらんとした結団式会場に、山県主将の声が響いた。「コロナ禍で開催意義が問われる中、自分たちに何ができるのか。スポーツの意義について考えてきた」。悲壮感の漂う決意表明だった。
 副主将の石川も実感を込めた。「たくさんの方が大変な思いをしている。その中で、五輪でプレーできることのありがたさを今まで以上に感じている」。全面的に開催を支持されていない複雑な思いは抱いている。それでも、ようやく大舞台に立てる喜びを口にした。
 JOCが延期前に掲げた日本選手団の目標、「金メダル30個」は変わっていない。福井烈団長は「それよりも、選手に最高のプレーを出していただくのが最大の目標」と強調。山下会長も冒頭のあいさつで「分断された世界で、スポーツは人と人をつなぐ。選手はフィールドで思う存分輝いてほしい」と願った。
 感染対策などで選手の負担は大きくなる。その中でも、山県は「非常に難しい状況だが、暗い世の中を明るく照らすきっかけになればいいなと思っている」と言い切った。異例の状況で迎える自国開催の五輪。日本選手たちの闘いが始まる。