2021-07-03 09:24

IOC、東京五輪で「膝つき」容認=競技開始前など限定で〔五輪〕

 【ロンドン時事】国際オリンピック委員会(IOC)は2日、会場内や表彰式で政治的、宗教的、人種的な宣伝活動を禁止する五輪憲章第50条について、東京五輪期間中の新たな指針を発表した。競技開始直前に差別などへ抗議の意思を示すことを認めており、膝つき行為などが事実上容認された。
 選手は競技場で名前を紹介される間などに、特定の人や国、組織を対象にせず、他の選手の妨げにならない範囲で自身の意思を表現できる。競技中や表彰式、開閉会式、選手村での同様の行為は引き続き処分の対象になる。 
 米国で昨年起きた白人警官による黒人暴行死事件を機に、スポーツ界でも自由な意思表明を求める声が広がっている。IOCは現役選手らを対象にした調査を基に五輪憲章第50条を維持すると4月に発表していたが、一部緩和した。
 IOC理事会に新たな指針を提言した選手委員会のコベントリー委員長は、「世界の選手たちと広範囲で協議してきた結果」と説明した。