2020-12-18 12:49

主要大会は2年出場禁止に短縮=ロシア選手団「除外」―CAS裁定

 【ロンドン時事】スポーツ仲裁裁判所(CAS)は17日、組織的なドーピング問題により来夏の東京五輪・パラリンピックなどの主要国際大会からロシア選手団を除外する世界反ドーピング機関(WADA)の処分について、4年間から2年間に短縮する裁定を下した。
 期間は半減されたものの、長くロシアが抱える問題に対する厳罰であることに変わりはなく、ロシア勢は2022年に開催される北京冬季五輪やサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会にも代表としては参加できない。
 WADAは、潔白が証明された場合は個人資格での国際大会出場を認めている。しかし、世界陸連はロシア選手に個人資格を与える場合も最大10に絞るなど、国際舞台でロシアがスポーツ大国の威信を示す機会は引き続き限られる。 
 CASは処分を軽減した理由を「文化的な変化や、次世代のロシア選手がクリーンな国際大会に参加する必要性を考慮した」と説明したが、真摯(しんし)に問題解決に取り組んでこなかった同国への甘い判断にも映る。
 ドーピングの不正を内部告発したモスクワ検査所のグリゴリー・ロドチェンコフ元所長の代理人は、「ロシアの長年にわたる体系的な犯罪に対し、CASは有意義な形で対処することを望まず、また、対処できないことを証明した」との声明を出し、裁定を批判した。