2021-06-10 12:41

「日本の方々に感謝」=逆境乗り越えた難民選手団―東京五輪

 【パリ時事】国際オリンピック委員会(IOC)などの支援を受けて7月23日開幕の東京五輪に出場する難民選手団の29人が8日、発表された。初めて結成された前回リオデジャネイロ五輪から19人増え、陸上や柔道など12競技に出場する。
 母国シリアの紛争を逃れてドイツで練習し、2大会連続で代表入りしたのが競泳女子のユスラ・マルディニ(23)。「(新型コロナウイルスの影響で)大会が延期された時は、1年後に開催されるなんて想像できなかった。IOCや日本の方々に感謝したい」と笑顔で語った。
 この1年は競技会の延期や中止、練習施設の閉鎖、自主隔離や渡航規制など多くの困難を経験してきた。それでも、マルディニは持ち前の明るさを失わず、五輪を目指して努力を続けた。「理想は難民選手団がない世界だけど、これが現状。世界中の人に刺激を与えられることを願っている」
 テコンドー男子68キロ級で代表入りしたアブドラ・セディキ(24)は、安全な環境を求めて2017年にアフガニスタンからベルギーに逃れた。8歳から競技を始め、国際大会で優勝経験もある実力者。「多くの人の助けがあって、五輪に出ることができる。小さい頃からの夢だった」と大舞台を心待ちにしている。