2023-03-29 12:42

IOC理事会、ロシア復帰を勧告=「中立」の個人資格で

IOC理事会でのバッハ会長=28日、スイス・ローザンヌ(AFP時事)
IOC理事会でのバッハ会長=28日、スイス・ローザンヌ(AFP時事)
 【ロンドン時事】国際オリンピック委員会(IOC)は28日、スイスのローザンヌで開いた理事会で、ウクライナに侵攻を続けるロシアとベラルーシの選手について、個人資格で自国を代表しない「中立」の立場など条件付きで国際大会参加を認めるよう、国際競技連盟(IF)と大会主催者に勧告することを決めた。
 軍所属や侵攻を積極的に支持する選手、団体競技での参加は認めない。2024年パリ五輪、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪への参加可否は決定を保留。IOCが勧告後の状況を監視した上で「適切な時期」に判断するとした。 
 IOCは昨年2月、ロシアとベラルーシを国際大会から除外するようIFなどに勧告したが、今年1月に両国の復帰を条件付きで検討する方針を出した。国連人権理事会が国籍による除外に「深刻な懸念」を示したことを主な理由に挙げた。
 バッハ会長は理事会後の記者会見で「政治的な理由やパスポートの有無ではなく、スポーツの実績に基づいて国際大会に参加できる選手を決める唯一の責任を持たなければならない」と述べた。
 パリ五輪開催国フランスや日米英など30カ国以上がIOCの方針転換に反発し、閣僚級の共同声明で「中立」の定義を明確にするよう求めていた。ウクライナ・オリンピック委員会は両国の復帰が認められれば「最終手段」としてパリ五輪のボイコットを示唆している。